船橋市本町の外科(一般・消化器)、肛門科

〒273-0005
千葉県船橋市本町3-36-28
ホーメストビル4F

047-460-5650

メニュー

各疾患の治療方針

  • HOME
  • 各疾患の治療方針

各疾患の治療方針

肛門疾患について

1)肛門疾患について

いわゆる痔には3大疾患があります。

(1)痔核とは、肛門のクッション組織の血流が悪くなり血管と組織が腫れ上がり、出血したり脱肛(とび出てくる)を来すものです。できる場所により内痔核、外痔核に分けられます。軟膏による治療が主体ですが、脱出がひどい場合には根治術(結紮切除術)を検討します。結紮切除術は根治性が高い(再発が少ない)治療ですが、その他にも痔核結紮術や痔核硬化療法など負担の少ない治療手技もあり、病態や患者さんの治したいレベルに合わせて治療法を決定します。

(2)痔瘻とは、肛門の周囲にうみがたまり(肛門周囲膿瘍)、それが破れて出た後に、瘻管といううみが出る穴ができるものです。うみの経路により4つに分類されますが、いずれも薬だけで治ることはなく、手術をする必要があります。肛門周囲膿瘍の90%は痔瘻に進展し、痔瘻が肛門周囲膿瘍を起こします。肛門周囲膿瘍では直ちに切開排膿術を行い、痔瘻が認められた場合根治術を行います。

(3)裂肛とは、肛門上皮が切れて裂けたものです。便秘や下痢が原因であることも多く、治療においては排便習慣の改善が重要となります。症状がひどい場合(慢性裂肛による肛門狭窄や痔核による随伴性脱肛など)には手術を検討します。

この他にも肛門疾患はさまざまあり、治療や手術もさまざまですが、重要なことは恥ずかしがらず早めに受診し適切な管理をすることです。肛門疾患の80%は軟膏を中心とした保存療法で良好に管理可能です。痔疾患は歴史がつくる疾患ですから、最小限の治療で管理することが大切であると考えています。

また、肛門疾患のベースにある便秘や下痢などの排便異常、近年増加している過敏性大腸症なども食生活や排便の指導などを中心に行っています。便秘や下痢などでお悩みの方もご相談ください。

内視鏡検査・治療について:消化管腫瘍(良性腫瘍と悪性腫瘍)など

2)内視鏡検査・治療について:消化管腫瘍(良性腫瘍と悪性腫瘍)など

痔の出血と思い込み、実は大腸がんの出血であったという場合があります。肛門科有症状受診患者が大腸検査を受けると、6%に大腸腫瘍(3%良性腫瘍、3%悪性腫瘍)が発見されるというデータがあります。大腸がん死亡率は男女共に増加しており、半世紀でおよそ10倍です。日本人女性においては死因の第一位です。
また、大腸がんの発生経路として良性腫瘍(腺腫)のがん化があり、良性腫瘍の管理も重要です。これらは内視鏡検査で診断し、ポリープや早期がんを切除することもできます。
また、胃がんは死亡率でも減少傾向にありますが、世界一の高率国であることに変わりありません。胃がんも内視鏡による診断が可能で、早期がんは内視鏡切除が可能なものがあります。
これら消化管腫瘍(食道、胃、大腸)は内視鏡という強力な診断および治療武器があり、検診の重要性が高いと考えられている所以です。

その他、胃十二指腸潰瘍の再発予防としてのピロリ菌の検査や除菌療法なども行っています。

そけいヘルニアについて

3)そけいヘルニアについて

一般に脱腸と呼ばれる良性の病気です。小児と成人では原因が違い、治療法も異なります。成人のそけいヘルニアは加齢とともに下腹部から足の付け根(そけい部)の組織が脆弱になり、その部分からお腹の中にある腹膜が袋状に飛び出してくることによって起こります。成人のそけいヘルニアは自然に治ることはなく、治療には手術が必要です。従来の手術では補強法に問題があり、再発率も15%と高率でした。現在の方法では、メッシュという人工物を使用し再発率は1%以下です。当クリニックでは麻酔もより負担の少ない局所麻酔で行っています。そけいヘルニアは嵌頓(はまりこんで戻らなくなる)した場合、緊急手術となり、かつメッシュでは補強できないこともあります。病態(脱出が小さいほど嵌頓しやすい)によっては早めに手術する方がよいと考えます。

4)下肢静脈瘤について

静脈の弁がきちんと閉じなくなり、血液が逆流してしまう病気です。うっ血が起こり足の血液循環が悪くなることで、さらに静脈に血液がたまり血管が徐々に太くなってきます。はじめのうちは静脈が拡張や蛇行するだけですが、ひどくなると足がむくむ、重くなる、疲れやすくなる、さらに進行すると足が痛くなる、つりやすくなるなどの症状が出てきます。このような状態が長く続くといずれ皮膚炎が起き、さらには治りにくい潰瘍になってしまうことがあります。静脈瘤は命に関わることは稀ですが、不快な症状があり、徐々に進行してゆくので生活に不自由をきたす病気です。あまり悪くしないうちに専門医の診察を受ける方がよいと思われます。治療には圧迫療法、硬化療法、手術療法とあり、症状、程度、かたちなどから使い分けます。近年、レーザー療法が高い根治性と低い侵襲性の点で新たな治療手技としてありますが、当クリニックでは行っていません。(現在検査・診断が主です)。

5)皮膚皮下腫瘤・腫瘍について

粉瘤、脂肪腫が多く認められる疾患です。粉瘤(アテロームとも呼ばれます)とは、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に“あか”のような物質がたまる腫瘍の総称です。脂肪腫とは皮膚の下に脂肪細胞が増殖してできた脂肪の塊です。脂肪腫の場合、治療は特に必要ありませんが、気になる場合や痛みがある場合は手術で切除します。あまり大きくならないうちに切除される方が傷も小さくてすみます。粉瘤の場合、炎症を伴う場合は切開しうみを出す必要がありますが、その後切除するか、しないか、同様に非炎症期に切除するか、しないかは良性腫瘍のため御本人の自由意志です。しかし、いつ炎症を起こすかは不明のため、これもあまり大きくならないうちに切除する方が良いのではと考えます。

乳房にしこりができる病気には、多いものとして乳腺線維腺腫、乳腺症、乳がんがあります。乳房のしこりは乳がんであるか、他のものであるかを見分けることが全てといってもいいでしょう。当クリニックでは診断として、視診・触診、エコーのみ可能です。(マンモグラフィーはできません)。乳がんは日本人の20人に1人がかかる、増加している疾患です。しかし、乳がんも早期発見すれば乳房が温存可能なばかりでなく、生命予後も良好ながんです。また、表面に腫瘤が存在するため自己発見率も高い疾患です。

6)巻き爪・陥入爪について

陥入爪は爪の角がトゲのように軟部組織(肉)に刺さって炎症を起こした状態です。巻き爪は爪が横方向に巻いている状態を呼びます。従来から、また現在でも爪を切ったり爪の幅を狭くする手術が行われていますが、再発が多い処置として認識されはじめました。深爪がその主因のため、爪を伸ばすことが治療の第一歩であり、爪を切らずに治していく治療法を方針としています。
具体的には、炎症を来している時は処置や投薬を行い、炎症を鎮静化させます。その後、湾曲した爪の処置として爪矯正を薦めています。これは、陥入爪の再発予防となります。爪矯正は保険外診療となります。

爪矯正料金はこちら

7)傷(擦り傷・切り傷・やけどなど)の診断・治療について

擦り傷、切り傷、やけどなどいわゆる傷は消毒して、乾かすというのが通常でしたが、これは痛みを伴い、治りにくい治療法であることがわかってきました。消毒は殺菌もしますが(元々、皮膚には常在菌がいるのでそもそも意味がない)、傷を再生する細胞も殺してしまいます。傷からでる浸出液に再生細胞が含まれていて、これを最大限に活用する方法が湿潤療法です。この痛みが少なく、改善も早い湿潤療法を基本とし、あらゆる傷を管理していきます。

8)その他

いわゆるイボ、ホクロ、魚の目など体表のできものに関しては、局所麻酔下の切除を行っています。レーザー治療は行っていません。